ツンデレが死んでしまったようで す。番外編

457 名前: 1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/22(火) 21:09:30 ID:kzGhdLhgO

今から話す のは私の話

――私が生きていた頃の――

――楽しかったあの頃の――

私達の話

ねえブーン?私はずっと幸せだったのよ?

貴方に出会って
貴方と過ごして
貴方と愛し合ったあの日々

ねえブーン?貴方と出会って本当に良かった

ずっと愛してるよ…


―――教室―――

( ;ω;)「うう…うう…」

〈`∀´〉「何泣いてンだよ内藤!お前はもう学校来るなって言った筈だニダ!」

( ;ω;)「うぐぅ…うぅ…」

クラスメイト達「クスクス…またキモいのが泣いてるわよ…クスクス…」

( ;ω;)「うぅ…グス…うぅ…」

468 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/22(火) 21:23:55 ID:kzGhdLhgO

ツン「また あの子イジメられてる…何で皆笑って見てるのよ!!」

〈`∀´〉「おい!!内藤!!ちゃんと俺の話聞いてるニダか!?」

( ;ω;)「うぅ…ごめ、ごめんなさい…」

クラスメイト達「クスクス…アイツやっと謝ったわよ?とっとと謝れば良かったのに…馬鹿ね え…クスクス…」

ツン「……」

( ;ω;)「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!もう許してくれお!」

〈`∀´〉「…許して『くれ』だ?テメー…口の利き方なってないニダ!!俺が教育して ――」

ツン「ちょっとアンタ!!いい加減にしなさいよ!!」

( ;ω;)「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんな……え…?」

470 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/22(火) 21:32:19 ID:kzGhdLhgO

〈`∀´〉 「あ?お前、コイツの味方するニダか?悪いのはこいつニダ!!」

ツン「へぇ…内藤君が何したっていうのよ」

〈`∀´〉「それは……が、学校に来たニダ!!」

ツン「馬鹿な事言ってんじゃないわよ!内藤君はこの学校の生徒よ!
   それに登校して誰にも迷惑かけてないわ!!朝っぱらから騒音巻き散らすアンタよりかはね!」


〈;`∀´〉「ぐ……俺様に口ごたえするなニダ!俺様は偉大なる――」

ツン「煩いわね!アンタなんか偉大でも何でもないわよ!弱いものイジメの最低男!!」

〈;`∀´〉「ぐ……覚えてろニダ!!」

ニダーは不機嫌そうに教室を後にした

クラスメイト達「……」

ツン「ふぅ…。……アンタ達もね!!クラスメイトがイジメられて笑ってんじゃないわ よ!!」

クラスメイト達は気まずそうにうつ向いた

477 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/22(火) 21:47:09 ID:kzGhdLhgO

(; ^ω^)「……」

ツン「……ホラ、立ちなさいよ。…大丈夫?」

(;^ω^)「うん…大丈夫だお…。あの、その…」

ツン「?なによ…まさかドコか怪我でもしたの!?」

( ^ω^)「ううん…違うお。その、助けてくれてありがとう…」

ツン「フン。別にアンタが可哀想で助けたんじゃないわ。あの男の大声が不快だっただけよ」

( ^ω^)「…でも僕は嬉しかったんだお。君が僕を助けてくれて…本当に嬉しくて安心し たんだお…」

ツン「///…い、いいって言ってるでしょ!//」

( ^ω^)「何かお礼がしたいお。僕に何か出来ることはないかお?」

ツン「……なさぃょ」

( ^ω^)「え?なんだお?」

ツン「昼食付き合いなさいよって言ってるの!!なによ!嫌なの!?」

(;^ω^)「あ、そんなことないお!付き合うお!付き合わせてくれお!」

ツン「フン!」

485 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/22(火) 22:05:33 ID:kzGhdLhgO

―――昼食 ―――

( ^ω^)「ねぇツンデレさん。なんで僕と一緒に昼食採ってくれるんだお?僕といると、 その……ツンデレさんも皆に嫌われちゃうお」

ツン「…私はいつも一人よ。友達なんていないわ。それに…今日分かった。この教室に友達に なりたい人間なんて一人もいないわ…」

( ^ω^)「……。……僕もかお?」

ツン「え?」

( ^ω^)「僕も…友達としての資格はないのかお?」

ツン「!!………。」

(;^ω^)「……。だよね…下らないこと聞いてごめんお…忘れてくれお…」

ツン「……」

(;^ω^)「……」

ツン「…アンタなら、別に友達になってあげてもいいわよ」

( ^ω^)「!!……ありがとう…」

ツン「フン……(お礼を言いたいのは私の方なんだからね…)」

546 名前:
1 ◆iXiOde3yG. [エラー喰らいそうな時だけ詰めます] 投稿日: 2005/11/23(水) 00:37:21 ID:URTj1JKKO

ツン「…内 藤君のお弁当、美味しそうね」

( ^ω^)「そうかお?良かったらこの玉子焼きあげるお」

ツン「え、いいの?じゃあいただくわ。…お…美味しい!!」

( ^ω^)「ふふ。嬉しいお!朝早く作ってきた甲斐あるお!」

ツン「…え?お母さんとかが作ってくれたんじゃないの?」

( ^ω^)「ううん。僕、物心ついた時には両親がいなかったんだお。
     見寄もいなくて…今は施設から通ってるんだお。施設のママには迷惑かけたくない から自分で作ってきてるんだお」

ツン「!……そうなんだ…ゴメン…。…内藤君…偉いのね…」

550 名前:
1 ◆iXiOde3yG. [エラー喰らいそうな時だけ詰めます] 投稿日: 2005/11/23(水) 00:46:00 ID:URTj1JKKO

(; ^ω^)「謝らなくていいんだお!あ、ツンデレさんのお弁当は綺麗だお!」

ツン「うん…玉子焼き食べる?」

( ^ω^)「ありがとう!……美味しいお!甘くて…なんだか優しい味がするお…」

ツン「フフ。コレはね。私の叔母が作ってくれたの。母は私が小さい頃に珍しい病気で死ん じゃって…。
   お父さんも後を追うように逝っちゃったわ。独りになった私は叔母に引き取られたの」


( ^ω^)「!…。……この玉子焼きは優しい味がするお。だからコレを作れるツンデレさ んの叔母さんはきっと優しい筈だお」

ツン「…うん。…叔母はとっても優しいわ…私を実の娘の様に…。」

( ^ω^)「やっぱり。僕には分かってたお!」

ツン「もう。得意気にならないでよ。フフ。…内藤君って不思議な人ね。私…人にここまで話 したの初めて…」

( ^ω^)「…僕も、アイツら以外にこんなに話したのは初めてだお…」

ツン「アイツら?」

562 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 01:00:31 ID:URTj1JKKO

(;'A`) 「……(内藤が女の子と飯くってる…)」

(´・ω・`)「?どうしたの?さっさと内藤に会いに行こうよ。」

(;'A`)「…内藤が…女の子と飯食ってんだよ…しかもかなり可愛い…。」

(´・ω・`)「まあ、内藤だって女の子と昼食位採るさ。どれ…。……!!」

(;A;)「あの野郎…俺を出し抜いて…俺なんか女の子とまともに話したことねえっての に!!
   なあショボン!!俺どうすりゃいいかなあ!?内藤食っちゃっていいかなあ!?」


(´・ω・`)「…………」

('A`)「……?ショボン?」

(´・ω・`)「…………」

('A`)「おい!ショボン!!どうしたんだよ!!」

(´・ω・`)「………ハ!い、いや、なんでもないよ」

(;'A`)「どうしたってんだよ」

570 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 01:11:12 ID:URTj1JKKO

(  ^ω^)「アイツらって言うのは……あ!アイツらのことだお!おーい!ドクオ!ショボン!」

ツン「え?内藤君の友達?」

( ^ω^)「そうだお!この二人はドクオにショボン。僕の親友だお!」

(;'∀`)「ハハハ…ド、ドウモ…ドクオデス…」

(´・ω・`)「……。…ショボンだよ。」

( ^ω^)「ツンデレさんだお!今朝僕を助けてくれて、それから友達になったんだお!」

ツン「あ、ヨロシクね。私、この教室のツンデレです」

ツンは二人の様子の差異が面白かったのだろう、二人に笑いかけながら自己紹介をした。

(´・ω・`)「…よろしく。バーボン組だ」

('A`)「(あれ?)…よろしくツンデレさん。独身組のドクオだ。」

575 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 01:34:29 ID:URTj1JKKO

(´・ω・ `)「挨拶はコレくらいにしといて……内藤。さっき『助けられた』って言ったよね?どうゆうこと?」

('A`)「あ、俺もそれ気になってた。」

ツン「……」

( ^ω^)「…実は…三年のこの教室になってから、同じ階の他教室のニダーって人に絡ま れてるんだお…。
     今朝も相変わらずな所を、このツンデレさんに助けて貰ったんだお」


(´・ω・`)「へぇ…女子なのに男子に、しかもあの不良に立ち向かうとは大したもんだ ね」

('A`)「ああ。ツンデレさん、やるじゃないか!」

ツン「///別に、大した事してないわよ!当然の事をしたまでよ//!…教室の人は誰も助 けようとしなかったし…」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」

(´・ω・`)「……。…内藤。安心しろ。ニダーなら当分学校に来ない。下手したら退学で 他高校に編入だな」

( ^ω^)「え?どうしてだお?」

('A`)「へっ」

(´・ω・`)「喫煙が見付かった。しかもヤツは今回が一度や二度じゃないからな…。元々 よく事件を起こすヤツだったしな」

580 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 01:45:45 ID:URTj1JKKO

(  ^ω^)「そうなのかお…。ちょっと安心したお!それに今日は新しい友達も出来たし…」

('A`)「だな」

(´・ω・`)「フフ。」

ツン「…なんか…なんか久しぶりだなぁこうゆうの。ずっと…ずっと忘れてたよ…」

( ^ω^)「ツンデレさん…」

ツンデレ「グス…ゴメンね…なんか湿っぽくなっちゃったね…。皆、改めてよろしくね ///あ、あと一つ!
     私のこと、『さん』付けで呼ばないで?もっと軽く…そうだ、『ツン』って呼ん で?」

( ^ω^)「うん!よろしく!ツン!」

(´・ω・`)「…よろしくね…ツン…」

(;'A`)「俺は女子相手にまだそうゆう呼び方は苦手なんだよな…よろしく。ツンデ レ。」

591 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 02:21:54 ID:URTj1JKKO

それから私 達四人は何時も一緒だったわ。
盆踊りに夏祭り…それに花火大会!
私達でやった小さな花火大会。
ブーンったら、花火を両手に持って楽し気に走り回るの
私達は大笑いで――あの頃は楽しかったなあ…
夏が終わって、私にとって一大事が起きたのそれは―――



―――現在、夜の海辺にて―――

( ^ω^)「ツン…思い出すなあ。僕がツンに告白した時…こんな寒空の夜だったお」

ツン「……………………………………」

( ^ω^)「あの時ほど心臓がバクバクした日はないお!…あの時思い切って良かったお… 本当に…良かったお…」

ツン「………………バタリ」

ブーンの隣で座っていた蝋人形は倒れてしまった。
ブーンはそれを起こし、車へ慎重に運んで行った

( ^ω^)「ふう…寒いかお?じゃあ車に戻るお…」

ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル

709 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 14:12:28 ID:URTj1JKKO

―――秋か ら冬に変わる季節。放課後、夕陽が沈んだ頃―――
(;^ω^)「あ、あの…ツン…。その、ちょっと話があるんだお…」
ツン「?話なら歩きながらでも――!!…。…いいわよ。…付き合ってあげるわ」

ツンはブーンに連れられ、丁度人のいない公園に着いた

ツン「で…。何?話って…」
(;^ω^)「その…あの…」
ツン「……」
(;^ω^)「実は…その…」

ツン「……(頑張って!ブーン、お願い!)」

(;^ω^)「ツンの事が好きなんだお!ずっとずっと好きだったんだお!!僕と…僕と付き 合って欲しいんだお!」

ツン「……フゥ…」

(;^ω^)「!…ツン…」

ツン「全く…。ずっと待ってたわよ。その言葉を。…アンタが不甲斐無いからこっちから言お うと思ってたんだからね…」

(;^ω^)「!!じゃ、じゃあ!!」

ツン「…その、改めてよろしくね…///」

( ;ω;)「嬉しいお…嬉しいお…。ツン…ありがとうだお…」

717 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 14:29:42 ID:URTj1JKKO

ツン「全 く…アンタは私が初めて声をかけた時泣いていて、付き合う事になった今も泣いてるわ!」

( ;ω;)「違うお!!コレは…コレは嬉し泣きだお…。あの時の涙とは全く違うんだ お…」

ツン「……。…それにしても待たせてくれたわね。…罰として肉まん奢りなさいよ!!ホラ、 行くわよ!」

(;^ω^)「ちょ、おま、待つお!!肉まんばっか食べてるから太――痛っ!」

二人は公園を後にした

――――――

(´・ω・`)「……どうゆう事だよツン…。…アレだけ僕が…この僕が言い寄ったのにそれ を無下にして…。…そうか…僕に焼きもち焼かせたいんだね?ふふ…可愛いなぁ…ツンは…。」




(´・ω・`)「でもやり過ぎだよ」

756 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 16:26:31 ID:URTj1JKKO

私達は付き 合う事になった。
それからの毎日は…そうね、汚い私なんかにはもったいない位幸せだった…

私にとって学校は価値の無いものだった

でもブーンに、三人に出会って学校が楽しくなったの

それからブーンと付き合い始めて――
ブーンといる時間が
ブーンのいる学校が

とても愛しくなったの

毎日が愛しい日々――幸せ――だった――

でも幸せな学校の日々は長くは続かなくなった。


大好きだった卒業式。



大嫌いな卒業式。

772 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 16:43:19 ID:URTj1JKKO

―――卒業 式後、校庭―――

ツン「うぅ…終っちゃうょ…学校が終っちゃうょ…」

('A`)「……。ツンデレ、泣くなって!!確かに学校は終わっちまうけどさ、その、クサ い台詞だけど、俺達の友情は絶対終んねえよ」

ツン「グス……ドクオ君…」

(´・ω・`)「……。ああ。僕達の関係は簡単には切れないよ」

ツン「ショボン君…」

( ^ω^)「ツン。僕は君の側にいつまでもいつまでもいるお!!だから、泣くなお」

ツン「ブーン…本当に…ずっと一緒よ…?皆も…ずっと私の友達でいてね…」

( ^ω^)「当たり前だお!一人には、させないお!」

('∀`)「へっ、一番クサいのは内藤だな」

(´・ω・`)「…フフ…」

ツン「ぷ!クスクス…」

(;^ω^)「ちょ、おまーら、笑うなお!!一気に恥ずかしくなってきたお!!」

一同「アハハハハハハ!!」

787 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 17:08:22 ID:URTj1JKKO

―――四人 組の打ち上げ帰り道―――

ツン「はぁ楽しかったなあ…」

( ^ω^)「うん。教室の人達の打ち上げ付き合ってたら大変な事になってたお」

ツン「そうね…ああゆう席って無理矢理お酒飲ます風潮があるから…断って正解だったわ。
   ところで…ブーンに聞きたい事があるの」


( ^ω^)「なんだお?」

ツン「あの時…校庭で言ったわよね?ずっと一緒にいてくれるって…」

( ^ω^)「その話かお…恥ずかしいからやめようよ…」

ツン「…アレは、ホントの気持ちだって信じていいの?」

( ^ω^)「……。…ツン…僕は君の事が好きだお。ほんとにほんとに大好きなんだお…。 だから…ツンが許してくれるなら、ずっと一緒にいたいお」

ツン「ブーン…。…や、約束よ!アンタには特別に許してあげるわ!!だからずっと一緒にい なさいよね!!」

( ^ω^)「ツン…。あぁ、ずっと一緒に…ずっと一緒に…いてくれお…。愛してるから」

796 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/23(水) 17:20:25 ID:URTj1JKKO

(  ^ω^)「さぁ、ツンの家だお。ココでお別れだお」

ツン「うん……ねえブーン?さっきの話…」

( ^ω^)「なんだお?不安で怖いのかお?」

ツン「ち、違うわよ!!アンタ不甲斐無いし、何でも直ぐ忘れるから、確認しただけよ!!」

( ^ω^)「ハハ。……安心するお。ずっと一緒だお…。さぁ寒いから僕は行くお」

ツン「うん…。絶対よ…。ブーン、気を付けて帰ってね。またね」

( ^ω^)「またねだお。…愛してるお」

私はブーンを見送る。その時、男に話しかけられた

男「ツン」

ツン「!?」





(´・ω・`)「僕だよ」

910 名前:
1 ◆iXiOde3yG. :2005/11/23(水) 21:48:15 ID:URTj1JKKO

(´・ω・ `)「…話があるんだ。僕と君のこれからの話が」

ツン「ショボン君か…。うん。私もちょっと話したいって思ってた」

(´・ω・`)「…ありがとう。良い場所がある。誰もいなくて、落ち着いて話し合える。車 に乗って」

どこか違和感を感じながらも、私は車に乗った。


車。




この車に乗った時、私の運命は決まったの




ショボン君に





犯された

943 名前:
1 ◆iXiOde3yG. :2005/11/23(水) 22:15:10 ID:URTj1JKKO

ツン「?こ こは…」

(´・ω・`)「父親の会社の工場。まあ、もう使ってないけどね」

工場の中は勿論、その近辺は静まりかえっている。
まるでこの世界には私とショボン君しかいないという錯覚さえ覚えさせた

ツン「……静かすぎて…不気味な所ね…」

(´・ω・`)「人が全くいない証拠さ。聴き慣れた騒音をたてるのは大体が人間だ」

ツン「……話って何?」

(´・ω・`)「……なあツン。いい加減よさないか?」

ツン「??…どういうこと?何を?」

(´・ω・`)「君は僕の気を引きたくて…僕のアプローチを無下にし――二人きりの時の僕 の物言いに冷たくするんだろう?」

955 名前:
1 ◆iXiOde3yG. :2005/11/23(水) 22:23:05 ID:URTj1JKKO

血の気が引 いた
彼は――聡明な彼は何処に行ってしまったのだろう

ツン「……アンタ…何を言ってるの…?」

(´・ω・`)「君は僕を愛してる」

ツン「……帰るわ。車を出して。出してくれないのなら歩いて帰る」

(´・ω・`)「帰さない。君の本心は帰りたくないはずだ。愛する僕と二人きりの時に酔い たいんだ」

血の気が引いた。
聡明な彼は何処かへ行ってしまった。
目の前には緑色の鱗で覆われた、爬虫類の怪物が。
餌を狙う目で私を見てる

269 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 13:39:10 ID:lomzlOpDO

ツン「…気 分の悪い冗談ね…」

本当に反吐が出そう

(´・ω・`)「まだ言うの?本当の気持ちは違うくせに…」

やめて

(´・ω・`)「君の本当の気持ちは――」


やめろ


(´・ω・`)「僕に――」


あれ――立ちくらみが――




(´・ω・`)「君は僕に犯されたがってる」


その端正な唇は静かに、ゆっくりと。

『女の子みたいな唇だなぁ』
なんてことを思いながら私の意識は何処かへ行ってしまった
父親だった男のことを思い出した

273 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 13:50:52 ID:lomzlOpDO

―――過去 ―――

母は崩れる様にして逝ってしまった
私は悲しくて、悲しくて。
その後しばらく母の事を引きずっていた。
学校への出席もせず、一年間余りは部屋で泣いて過ごす
そして父はもっと酷かった。
魂が抜けた様に無気力になり、話す言葉も訳が分からず、ただ怖かった

当時の私の家は裕福で、全ての力を失ってしまった父の代わりに面倒を見てくれたのがお手伝 いさん。
壮年の女性で、彼女は私にとっての母代わり。
彼女のお陰で学校へも行く気になれた

281 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 14:24:12 ID:lomzlOpDO

中学に上が り、その制服に私の気持ちは舞い上がった
部屋で意味もなく着てみたり、とにかく高揚していた

鏡に向かって笑顔を作ったその時、襖が開く

ツン「…お、お父さん…。な、なに?…どうしたの…?」

父親「……。……。」

ツン「??……」

父親「…ツンデレ…。もう家族は私達二人だけになってしまったよ。
  もう家族は私達二人だけになってしまったよ。もう家族は私達二人だけに」


父親のただならぬ雰囲気
虚ろな表情に私は恐怖を覚える

父親「ツンデレ慰めてくれ俺を抱き締めてくれ二人きりのかぞくなんだからたすけあわなきゃ やっていけないんだおれはたのむつんでれ」

父は私を抱き締め、膨らみかけた私の胸に顔を埋めた。
そして口に口を付けられる

怖い怖い怖い

私は何の抵抗も出来ず、なすがまま

行為はエスカレートしていき


父に抱かれた

308 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 15:27:13 ID:lomzlOpDO

情事が終 わった後の私は脱け殻
殻はあるけど魂は宙に浮いている

裸で部屋に仰向けになった私はその魂を見ていた

また襖が開く
焼きたてのクッキーと紅茶を持ったお手伝いさん

畳は紅茶を吸った

私の股間に流れる血と精液

お手伝いさんは一見した後、ゆっくりと近付き、そっと私を抱き締める

優しく力強く抱き締める

あの男の様に怯えたものではない。
それは暖かくて。私の気持ちは安らいでゆく…
その時初めて涙が溢れ、声を上げて泣いた
我を忘れて泣き散らした
お手伝いさんは頭を撫でてくれて…

ノ('ー`)し『怖かったねえ…もう大丈夫よ…アタシが守ってあげるからね』

涙が止まらなかった
必死にしがみついた

319 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 15:45:30 ID:lomzlOpDO

お手伝いさ んに全てを話した。
泣き散らしながらも全てを話した

ノ('-`)し「…合意の無いセックスは犯罪よ。例えどんな関係であっても。…後は私に任 せなさい。
     …お父さんと…あの男とはもう会えなくなるわ。それでも、いい?」

私は涙を拭って力強く頷く

そしてお手伝いさんは警察に電話を入れる

間もなくパトカーが到着
私達一家に事情を聞いた後、父を連れて行く
勿論私達も同行し――全ての事情を話した。とても辛かった

実は父は死んでしまったのではない
現在服役している。

私は独りになってしまった。

ノ('ー`)し「……。…私と…一緒に暮らす?」

独りになってしまった私は嬉しくて――また泣く。わんわん泣く

ノ('ー`)し「フフ。困った子ね。これからアナタは…私の娘よ」

叔母と言うのは実はお手伝いさんの事
お手伝いさんは、ずっと昔に娘を交通事故で無くしてしまったらしい。
きっと私をその子と投影してる
私もお母さんと投影してる

322 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 15:52:23 ID:lomzlOpDO

今までの、 色んな事を夢見ていた。
今のお母さんとの沢山の想い出
学校に行きたがらない私を叱ってくれた
友達のいない私を励ましてくれた
誕生日を祝ってくれて
二人きりのクリスマスパーティ
そしてブーンと出会って。
二人の想い出
一緒に手を繋いで
デートして

楽しかった幸せだった



夢から覚めたくなかった
目覚めてしまった

336 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 16:27:15 ID:lomzlOpDO

―――現実 ―――
目が覚めて、現状を把握するのに時間がかかった。

父が覆い被さっていた

声が出ない
抵抗が出来ない

父は何か喋った

(´・ω・`)「……フゥッ…フゥッ……や、やあ…起きたかい…?…もうすぐ…終るから、 そのまま、じっと、してて…」

ツン「………………。……………君…」

何もかも理解出来た
私はあの時意識を失って――

今――

痛い痛い痛い痛い痛い。苦痛だけ。それ以外何も無い。ただ、不快
痛い
もう止めよう。抵抗とか、そういうこと考えるのを止めてしまおう

…アレ、腕に痣が出来てるな…
殴られたのかな…

と、考えてる内に、下腹部の辺りが熱くなった
ショボン君は一息ついた後、満足気な顔でニッコリ笑う

なんて綺麗な笑顔

382 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 19:42:07 ID:lomzlOpDO

彼を見てい た
自分の性器を笑顔で拭い、ソレをしまう彼を見ていた

幸せそうね

アナタ

私はこんなにも

絶望してるのに

ところでその手首の血は何?

(´・ω・`)「〜♪…ん?コレかい?…君の中に中々入れなくてね。
     しょうがないから血を使ったんだ。痛かったけど、幸せだったから。気にしない で。」

ツン「………………………そう………」

そう。狂ってるのね。もう逃げる見込みはなさそうね
ブーンと、さよならだなぁ

(´・ω・`)「あ、泣かないで…平気だよ。こんな傷。全然痛くない。だから泣かないで。 その方が傷付くよ」

389 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 20:02:39 ID:lomzlOpDO

(´・ω・ `)「…一応念を押しとくよ。僕は…僕の父親は絶対的な力を、権力を持っている。
     だから君が本気で嫌がっていたとして、警察に言っても無駄だよ」

ツン「…………」

(´・ω・`)「そして内藤には遊びはお終いって、そろそろ伝えておいて。」

ツン「…………」

(´・ω・`)「最後に。…君が望んでいた事とはいえこのこと、二人には黙っておくんだ」

ツン「……何故」

(´・ω・`)「まだ友達でいたいだろ?」

ツン「…………」

(´・ω・`)「さ、服を着て。風邪引いちゃうよ。…服を着たら家まで送って行こう」

体を拭いてもらい、服を着させてもらった。
ブラシまでかけてもらって、私は此処に来た時の姿に戻った
表情以外は

その後はレイプした男に家まで送ってもらい、『またね』と別れを告げる
もうどうでもいいや。流れに身を委ねてしまおう
その方が楽だよね
もう傷付かないよね

さよなら。ブーン

401 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 20:19:40 ID:lomzlOpDO

―――翌 日、カフェテリア―――

( ^ω^)「…え?」

ツン「だから。さよなら」

(;^ω^)「な、なんでだお!?」

ツン「…だってアンタ。進学しなかった割には、まともな職に就いてないじゃない。」

(;^ω^)「!!」

ツン「コンビニ店員?そんなんで私とずっと一緒に居られると思うの?」

(;^ω^)「そ、それは…」

ツン「…私、ショボン君と付き合うことにしたの」

( ゚ω゚)「!!」

415 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 20:26:22 ID:lomzlOpDO

ツン「…… 悪いわね」

( ゚ω゚)「……」

ツン「ブーン?」

(;^ω^)「……あっ、あっ、その、僕もお似合いだと思うお!!バイトの僕より…御曹司 のショボンの方が…ツンを幸せにするお…」

ツン「……本気で言ってるの?」

(;^ω^)「あ、ああ!本気だお!!ショボンは格好良くて何でも出来るし…その、お似合 いだお!!」

ツン「……そう。じゃあ話は早いわ。さよなら」

ツンデレは席を立ち、会計金額を置いて席を離れてゆく

(;^ω^)「……。あっツン!!ショボンに、ショボンに、その、ショボンによろしく言っ てくれお!」

ツン「…………」

ツンデレは見えなくなった

( ^ω^)「こんなことになるって。いつかこんなことになるって知ってたから別に平気だ お!全然…傷付いてないお…。…ツン…」

477 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 22:39:12 ID:lomzlOpDO

(´・ω・ `)「済んだかい?」

……。…あれ?この人誰だっけ……

…あぁ、この人は私の大事な人。
私の愛する人

私のショボン

どうしたんだろう…こんな大切な事を忘れるなんて

478 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/24(木) 22:40:19 ID:lomzlOpDO

ツン「えぇ 済んだわ。厄介払いも疲れるわ…」

(´・ω・`)「ふふ…なんて言ってやったの?」

ツン「えっとねー…、『アンタみたいなバイトの先のない人生より、ショボン君の明るい明日 の方が居心地いいの』
   って言ってやったわ!ふふ。凄い顔してた」


(´・ω・`)「ハハ!ソイツはいいな。…ただ一つ間違えたな。」

ツン「??」

(´・ω・`)「内藤はもう仕事は出来ない。とゆうより…バイトでもなんでも、『就職』が 出来ない」

ツン「??どうゆうこと?」

(´・ω・`)「フフ…何でも無いよ…。さあ行こう」

ツン「??…変なの」

(´・ω・`)「……(内藤は君の本当の笑顔を浴びすぎた。罰だよ…)」

ツン「ねえ…。しつこいようだけどさ…。私と…ずっと一緒にいてね…」

(´・ω・`)「ああ。勿論さ」

548 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/25(金) 00:06:03 ID:q5AnuPIJO

私達は二人 で住むことになった。
私はこれから美術系の大学に通う。
この町から新幹線を使う距離で、ショボン君の通う大学と一駅しか離れていなかったから。
ショボン君の家の別荘に住むので、借りるつもりのアパートに払う費用は0となった。
経済的にも、私の心的にも嬉しい


―――ある日―――

ツン「……なんだろう…生理来ない…。…まさか……いや、まさかね。…でも、もしかした ら…」

ショボン君が居ない隙を見計らって薬局へ行き、妊娠検査薬を購入。結果は…

ツン「…う…うそ…出来てる…」

結果を見て感じた感想は、疑問だった

一体いつ?私達した?

考えれば考える程、何かとっかかりを感じた。

認めたくない、思い出したくないあの出来事――

あの出来事?…やめよう、気分が凄い悪くなる。
吐気、めまい、頭痛…

きっと酔った拍子に『した』のだろう。
非常に無理矢理だが、そう結論づけた

558 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/25(金) 00:27:13 ID:q5AnuPIJO

次に感じた のは絶望だった。
嫌だった。とにかく嫌だった。

大好きなショボン君の子供なんだけど…

産むのは絶対に嫌だった。
コレを思う度にまたとっかかりを感じる
こんなことを思うのは駄目な事だって分かってる。
とにかく…ショボン君に言おう…。凄く、凄く言い難いけど…思いきって言おう…

―――夜―――

ツン「……あのさ、大事な話があるんだけど…」

(´・ω・`)「ん?何?何か欲しい物あるの?それともお手伝いさん足りない?」

ツン「いや…そうじゃなくて…。その、赤ちゃん…出来たみたい」

(´・ω・`)「ああ。だろうね…。…い、いや、そうなの!?赤ちゃん出来たの!?」

ツン「??…どうしよう…。どう、したい?」

(´・ω・`)「……。結論から言うよ。堕ろして欲しい」

やった

(´・ω・`)「…ごめん、僕、凄い酷い事言ってるのは分かってる。
     君には謝っても謝り切れない事だと言うことも。ただ…今子供が出来るのはマズイ んだ…。」

567 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/25(金) 00:33:16 ID:q5AnuPIJO

(;・ω・ `)「世界を跨ぐ会社の跡取りが、未成年の内に子供が出来るっていうのは…。
     マスコミに知られたら、会社にとって大きなイメージダウンになる…」


良いのよ。本当に気にしないで

(;´・ω・`)「その、ごめんよ…」

ツン「…ううん。いいの。ショボン君は大切な跡取りだからね…。分かった。私、明日産婦人 科行ってくるね…」

(;´・ω・`)「うん…その、本当にごめん…本当に、ごめんなさい…。…ごめん…」

ツン「気にしないで!謝りすぎよ?フフ。さ、御飯食べましょ!」

良かった――
ごめんね…ショボン君…謝るのは私の方
話し合いが終わって、きっとアナタより安心してる…

本当にごめんなさい…

617 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/25(金) 01:47:51 ID:q5AnuPIJO

―――夏 ―――

ツン「ねえ、ショボン君。私水着見たいんだけど…」

(´・ω・`)「水着?ああいいよ。じゃあ早速デパートに行こう」

―――デパート―――

ツン「あ!コレなんか良いじゃない!!コッチも!!」

(´・ω・`)「うん。可愛いねぇ…」

ツン「あ!アレも可愛い!」

(;´・ω・`)「う、うん…皆可愛いよ…」

ツン「フフ♪どれにしようかなあ♪キャハハ!」

(;´・ω・`)「…………」

ツン「??どうしたの?ショボン君」

(;´・ω・`)「…なんかね…林家パー子を久しぶりに思い出したよ…」

ツン「何だと?」

(;;´・ω・`)「あ、いえ、何も。」

633 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/25(金) 02:04:39 ID:q5AnuPIJO

―――試着室―――


ツン「全く…パー子って何よ…ブツブツ」

私は背中の大きく開いた、ちょっとHなワンピースの水着を選んだ

ツン「この水着姿を見せて訂正させてやるんだから!!」

―――5分後―――

ツン「おまたせ!…どう?」
(´・ω・`)「うん…スタンダートで可愛いよ」
ツン「フフフ…コレ、普通の水着じゃないのよ?ホラ!」
私は可愛さをアピールする様に彼に背中を見せる
(´・ω・`)「んー…?……!!」
ツン「どう?」

(;´・ω・`)「…ツ、ツン…君の背中…どうしたんだ…」

ツン「へ?何が?背中が綺麗って言いたいの?」

(;´・ω・`)「…。いいか…心を落ち着けて…自分の背中を鏡で見るんだ…」

私は疑問府を浮かべながらも鏡を使って背中を見る

ツン「??……。………!!…ぁ……ぁ………………いやああああああああああああ あ!!!!」


背中はジュクジュクと水っぽい、今にも剥がれ落ちそうな青紫色の痣でびっしりと覆われてい た

863 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 00:49:31 ID:TFEsKPg+O

ツン「いや あああああああああああああ!!お母さんがっお母さんのっ!!ああああああああああ」

(;´・ω・`)「ツン!落ち着け!ツン!」

(;´・ω・`)「…(しまった!僕としたことが…何でわざわざ言ってしまったんだ!…救 急車!救急車だ!!早く電話を――)」

(;´・ω・`)「(…いや、救急車はマズイ!この辺りは病院から遠く離れてる…
     しかも駅から離れている癖、人や車が多い!事実、今日は日曜日のせいもあって か、いつもより渋滞していたしな…)」

(;´・ω・`)「(交通関係は麻痺している…どうする…考えろ!もっと考えるんだ!ショ ボン!!)」

(;´・ω・`)「(先ず、今のツンの背中の症状は一体!?ツンは立てるか!?歩ける か!?)」

(;´・ω・`)「(よし…先ずは確認だ…。もう一度見て、判断しよう…動けない様であれ ば救急車を待つ…。
     歩くのに支障が無さそうであれば、車で数分の家に連れて帰り、様子を見る。それ から医師団を呼ぶか検討しよう…)」

877 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 00:58:59 ID:TFEsKPg+O

ツン 「ぁ……あぁ…うう…ブーン…」

(´・ω・`)「??(今何か言ったか??)ツン…背中を…見せてくれ…」

店員「お客様!?どうしたんですか!?」

(´・ω・`)「……彼女がめまい起こしたようで…いつものことです。ちょっと下がってて もらいますか?」

店員「は、はあ…」

ツン「ぅぅ…助けて…ブー……助けて……ーン…助けて…」

(´・ω・`)「…またか、背中をさすってやる…」

(;´・ω・`)「ぁ…」

888 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 01:13:30 ID:TFEsKPg+O

彼女の背中 には青紫色の痣があった。どこかでぶつけたのか…三カ所に。

だが先程見たものは…
彼女の背中は腐った果実のそれだった

(;´・ω・`)「ふぅ…(見間違いだったか…。腐った果物の様に見えたが…。だが何処で こんなにぶつけたんだ?)」

(´・ω・`)「…ツン…。大丈夫だ。良く見てみろ。」

ツン「ぅぁぁ……ぅぅ………嫌よ…嫌!!絶対嫌!!…寄らないで!!こっちに来ちゃダメ よ!!」

(´・ω・`)「ふぅ……。大丈夫だから。落ち着け。いいから見てみなって」

ショボン君の安堵の表情
私は鏡を恐る恐る見てみる…


痣だ。青紫色の痣。




そして私はまた絶望したのだ

901 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 01:22:25 ID:TFEsKPg+O

(;´・ ω・`)「…?(ツンの顔から表情が消えた…)だ、大丈夫かい?救急車…呼ぼうか?」

ツン「…………平気よ……家に帰りたい……」

(´・ω・`)「そ、そう……じゃあ駐車場まで…歩ける?」

店員「あの、お客様…大丈夫ですか…?」

ツン「平気ですから」

(´・ω・`)「……行こう」

駐車場へ行き、車に乗る
家までの車内は何故か重苦しい空気が流れ、会話は一つも無かった

彼女のその時の顔は絶望色で、僕はそれでも美しいと思った

916 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 01:33:29 ID:TFEsKPg+O

―――家 ―――

(´・ω・`)「デパートの時から…どうしたんだい?背中の、事かい?それなら大丈」

ツン「やめて!!!」

(;´・ω・`)「!!…ごめん…」

ツン「お願い……お義母さんを呼んで…今すぐ…お義母さんを呼んで…その間は一人にして下 さい…お願い…」

絶望色の顔をした彼女は目に涙を浮かべる。

(´・ω・`)「……。分かった…今すぐ連絡しよう…ちょっと待ってて」

ショボンはその場を離れ、受話器を取って電話をする。
話終えた彼はドア越しのツンに伝える

(´・ω・`)「僕だ……今晩の9時には着くそうだよ…」

ツン「ありがとう…それまで休むわ…おやすみ…」

(´・ω・`)「……。おやすみ…」

924 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 01:48:54 ID:TFEsKPg+O

(´・ω・ `)「ツン…お義母さん、お着きになったよ。通してもいいかな…?」

ツン「うん……お願い…」

ノ('ー`)し「ツン……久しぶりね。急にどうしたの?私の顔でも見たくなったの?フフ」

ツン「お義母さん……。…えぇ…そうよ…。お義母さぁぁああん!!うあああああ!!!」

ツンは泣き叫びながら義母に抱きついた。

ノ('ー`)し「…。あらあら…どうしたの?甘えんぼな娘ねえ…」

ツン「お義母さん!!お義母さん!!お義母さん!!うわあああああ!!」

ずっと泣いていた。ずっとずっと泣いていた。

お義母さんはとても暖かかった

931 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 01:57:20 ID:TFEsKPg+O

ノ('- `)し「……(タダ事じゃないわね…)…。ショボン君。一体この娘、何があったのかしら…」

(´・ω・`)「それが…デパートの水着売り場で背中に痣があったのを見付けたんです。そ れから様子がおかしくて…」

ノ('-`)し「…!!…ツン…。背中を…見せてくれる?」

ツンは涙を流しながら黙って上を脱ぐ

ノ('-`)し「!!…コレは…!!ああ、ツン!!私の可愛い娘!…愛してるわ!ずっと… 愛してるからね…!!」

義母も涙を流し、ツンを強く抱き締める


(´・ω・`)「……(僕は邪魔だな…)…」

ショボンはそっと部屋を後にした

941 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 02:07:35 ID:TFEsKPg+O

数時間後、 部屋の中が静かになったのを見計らって声をかける

(´・ω・`)「お義母さん、別室に寝る準備が出来ました」

ノ('-`)し「…ごめんなさい。娘の側に…娘の部屋にお願い出来るかしら。あとショボン さん。明日の早朝…お話があるの…」

(´・ω・`)「…はい、分かりました。じゃあ明日の6時頃、居間で」

ノ('-`)し「ごめんなさいね…。おやすみなさい。ありがとう」


―――翌朝、居間―――

(´・ω・`)「……」

ノ('-`)し「おはよう。ごめんなさいね、ショボンさん。こんな朝早くから…」

(´・ω・`)「あ、おはようございます。…いえ、大丈夫です。で、お話と言うのは?」

ノ('-`)し「娘の背中の…痣の事よ」

969 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 02:50:33 ID:TFEsKPg+O

私がツンの 母になる前の話。
当時、ツンの実母の御屋敷で、家政婦として働いていたの。
そうね…丁度ツンが産まれた時から住み込みで。
…それから4年が経って…ツンが幼稚園に上がる頃。奥様は病気に侵されて人目に出なくなっ たわ。

奥様が病気を患って二年。身の周りの世話をしていた私の感想は…。
『奇妙な病気』
目で見て解る症状は『痣』よ。
その…さっきのツンの背中の様な。
その痣の出方が奇妙なの。
大きな、水っぽい変に気持の悪い痣が出来たと思ったら…次の日には消える。
痣の消える早さはムラがあったけど…出来て半日から一日の内には消えるの。
その繰り返し。最初の二年間位の間は。

だけど時間が経つにつれて…痣は消えにくくなっていったわ。

その三年後
奥様の体は。
奥様の美しかった体は…全身にジュクジュクと水っぽい、大きな痣に覆われていた。
まるで腐った果実の様だったわ

私はある日、いつも通りお世話をしていた
彼女の体を丁寧に、慎重に拭いていたら崩れ落ちたの

奥様の腕の肉がボトッと

イチゴジャムをスプーンで一すくいして

地面に落とす様に

23 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 03:52:16 ID:TFEsKPg+O

医者にいく ら見せても、現代の医学では、この腐敗の進行を阻めないとの事。
完璧な環境と看護が進行を少しだけ阻めると。

まともな解決策が出ないまま数日が経つ
奥様はまるで人が変わったかの様になった。

ゆっくりと時間をかけて腐って行く自分の体。
それをずっと眺めてきた奥様。

彼女の体は青白く…所々に大中小の青紫色の痣。
まるで死人の様な彼女は発狂する。

医者の話では、心的な問題だけでは無かった。

腐敗はココから脳に侵蝕している、と。

ノ('-`)し「……私の話はコレで…こ、コレで…おし、おしまいよ…」

(´・ω・`)「……ツンも同じ道を…辿る…と…?」

ノ('-`)し「…………」

義母さんは黙って泣いていた

(´・ω・`)「そうですか…。……………。」

32 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 04:06:24 ID:TFEsKPg+O

(´・ω・ `)「ツン…ツン。起きてるかい?大切な話があるんだ…居間に来てくれ」

ツンを居間に呼び、目の前にツンと義母さんを座らせる

ツン「………………」

(´・ω・`)「………話は、全部聞いた。」

ツン「……分かってるわ。…別れましょう。コレでいいのね?」

(´・ω・`)「……」

ツン「……。…なんとか言ってよ…ショボン君…お願い…」

(´・ω・`)「……。結婚しよう」

ツン「!!!??」

ノ('-`)し「!?ショボンさん!?」

(´・ω・`)「君の限られた時間を…僕に委ねてくれ。必ず、幸せにする」

ショボン君の迷いのない真っ直ぐな瞳…

きっとこの人は…私をコレからも愛してくれる…

断らなきゃ。断れない。ブーン、私はどうすれば…

182 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 21:30:32 ID:TFEsKPg+O

私は彼の鎖 となり、彼を残された時間の限り縛って行く決心をしたの。

彼をきっと不幸にするけど、ずっと一緒にいるって決めた

卒業式後の、二人きりで交わした約束を彼はまだ覚えてくれている様だった。
とても嬉しかったの


そして私達はお互い学校を辞め――

結婚した

私が式に招いたのはささやかな数

義母さんは勿論、ドクオ君

そして


大学に在学していた頃の友人達

192 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 21:40:21 ID:TFEsKPg+O

青空の下、 ウェディングドレスを着て――ヴァージンロードを静かに歩く。
先で待っている、穏やかな表情の彼

その人に指輪をはめてもらってキスをする

女にとってこれ以上の幸せは無いと思っていたけれど――

心はぽっかりと穴が開いている様だった

何かを忘れている…どこか府に落ちない…

大切なあの人――

…いけないいけない。
今日は大切な時なのに

醜い私を愛してくれる彼は大切な人

その人と過ごす大切で幸せな一日なのに

―――離れた丘の上―――
(#^ω^)「ツン…綺麗だお…。とてもとても…綺麗だお…」

僕はショボンに招かれた。
でも…近くであんなに綺麗で幸せそうな顔をする彼女を見ることは…出来なかったんだお

じゃあせめて遠くから。

ベールから。遠く離れたこの丘の上から

214 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 22:08:28 ID:TFEsKPg+O

華やかな結 婚式は終わり、夫婦としての生活を送ったの。

新婚旅行…楽しかったなぁ。

家でも一緒にご飯を作ったり。ショボン君が私より全然料理上手いことが解って凄い悔しかっ た。

一番の思い出は…
デパートに行って、ジグソーパズルを買った。
でも私が最後の1ピース無くしちゃって、完成できなかった。
なんだか無生に哀しくて…わんわん泣いたのを覚えてる。
アナタは困った顔をして、思い立ったかの様に何処かへ出掛け、画用紙を買ってきた。
そして最後の1ピースを作ったわ。

その行動はとてもロマンチックだったけど…
正直クサくて。私は哀しい気持を忘れて笑ったわ。
アナタはそんな私を見てふてくされたの

…あのね。実はあの時、凄く嬉しくて…笑ってごまかしたのよ。ごめんね?

…あーあ。ずっとこんな幸せな日々が続けば良かったのになぁ

235 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 22:27:13 ID:TFEsKPg+O

―――5年 後―――

(´・ω・`)「あー…君君。ボーナス出すから…ちょっと、あることを頼まれてくれない か?」

メイド「はい、旦那様。何でしょう?」

(´・ω・`)「明日…私の学生時代住んでいた町に行き、友人に会って欲しい。
     コレが友人の居る場所と写真だ。…地図は多少アバウトだが…。」


メイド「…??…はぁ…」

(´・ω・`)「彼に会ったら、自分をツンの友人と称し、この手紙を渡して欲しい。
     …苦労分、ボーナスははずむから…お願い出来るかな?」


メイドは了承し、家事を続けた

―――居間―――

(´・ω・`)「フフフ…」

ビチャッ、ベチャッ……

(´・ω・`)「…アイツの怒る様が目に浮かぶな……ん…?」

(´・ω・`)「(鍵をかけ忘れたか…)駄目じゃないかツン。此処まで来ては。さ……部屋 に戻ろう」

ツン「………ぅ゙…ぅ゙ぁ゙ぁ゙………ぉ゙ぉ゙ぉ゙………ぅ゙ー」

ペチャペチャペチャペチャペチャペチャ……

284 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 23:20:19 ID:TFEsKPg+O

―――暗が りの部屋―――

なあツン。私は言ったよな。君にプロポーズした時…幸せにすると。
そして私達は神父の前で愛を誓ったんだ。
愛し合う事を――約束した。

だが君は何時からか、私を見なくなっていた。
私を愛する事を止めていた。

二人でこの部屋にいた時、私は君に愛を囁く。
そして君は涙を流す。

アレは嬉し涙ではなかった…
変わることのなくなった君の表情。
それでも私には分かる。

愛の言葉でなく――絶望の音に聞こえたのだろう?

今の君は…私を見ていない
君は…アイツを見つめ続けている。
会いたいかい?会わせない。

内藤だけじゃないよ。

もう君は、この屋敷以外の誰にも見せない。触れさせない

君のどんな関係だろうがね。
私は自分の宝物を絶対人には見せない。
それを実行できる力を持っている

290 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 23:36:02 ID:TFEsKPg+O

人は…半端 な覚悟や力では

ドン底に堕ちる事は出来ない。

真のドン底に堕ちることは

普通の人間には難しい

だけどツン

君はそこまで後少し

普通の人間には到達出来ない所まで行くことは

『幸せ』なことだと思わないか?

ツン

君を『幸せ』にしてやるよ



ところで…さっきから見え隠れする、その皮膚の中から見えるもの――
そのチラリズム。とってもセクシーで綺麗だ。
流石に今日はやり過ぎた
愛してるよ


ツン「ぅ゙ぉ゙ぉ゙……ぁ゙ぁ゙ぁ゙…ぁ゙……ブ……ブー……ブー……ブー…」

313 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/26(土) 23:59:01 ID:TFEsKPg+O

私は暗い部 屋にいた時の事はほとんど覚えてないの

コレはきっと幸せな事。

覚えてないけど…感じていた。

冷たくて…暗くて…痛くて…孤独な日々。

『あぁ、私は人間じゃないんだな…』ということも感じていた。


…だけど、ある日を境に世界は変わったの

暖かくて…明るくて…とても優しかった。
誰かが私を守ってくれてるんだな…って感じていた

私の欲しかった温もり…罵声じゃなくて優しく語りかける声…
ブーンの声…

ブーン!

私を守ってくれるこの優しい人はブーン!!

いつの間にか、考えることが――思うことが――また出来る様になったの!
これはきっと奇跡

私は
ブーンに何度も謝って

ブーンに何度も愛の言葉を投げ掛けた

358 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/27(日) 00:20:30 ID:7EHFO4tUO

(  ^ω^)「ツン?どうしたお?なんで動かないんだお?ツン?」

ツン「………(うるさわいわねぇ。今日は喉の調子が悪いのか分からないけど、喋れないの よ。それに…眠い…)」

( ^ω^)「…あ、この前勝手にプリン食べたこと怒ってるんだお?アレは謝ったお!ツン もしつこいお…」

ツン「………(ったく…私がそんな事で怒ると――…って、アンタ、私のプリン勝手に食べた の!?謝ったって、聞いてないわよ!!)」

( ^ω^)「ねえツン……いい加減目を覚ますお」

ツン「………(フン!声が戻っても喋ってやんないんだから!!……。……ねえブーン。
   ……今度こそ…ずっと…一緒にいて…ね…。おやす…み…)」

405 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/27(日) 00:48:03 ID:7EHFO4tUO

―――とあ るスーパーの駐車場―――

( ^ω^)「ちょっと食糧買ってくるお。ツンは車の中で待ってるお」

ツン「…………………………」

…ねえブーン?私は貴方と居る時はずっと幸せだったのよ?

貴方に出会って
貴方と過ごして
貴方と愛し合ったあの日々

本当に。本当に本当に本当に――幸せだったなぁ…

…べ、別にアンタのことを褒めてる訳じゃないんだからね///!勘違いしないでよ///!

……。…ううん。もう止めるわ。
アンタが好き。
貴方が大好きで愛しくてしょうがない。

410 名前:
1 ◆iXiOde3yG. 投稿日: 2005/11/27(日) 00:50:04 ID:7EHFO4tUO

だから…も う、これ以上不幸にしたくない。
貴方は私といれば…絶対に不幸になる。

だから私、もう行くね?

ξ〃凵V)ξ「ねえブーン。貴方と出会って本当に良かった。ずっと愛してるよ……幸せに なってね?
        …幸せにならないと、しょうちしないんだからね!…。…ばいばい…ブー ン…愛してる…」




( ^ω^)「只今だお〜♪…アレ?ツン?」

(;^ω^)「ツン!?ツン!?どこだお!?ツン!?」

僕は辺りを見回した。けれどツンはどこにもいない

(;^ω^)「………」

( ^ω^)「……。ツン…僕は…僕は…」

( ;ω;)「君がいないと…僕には君がいないと…。……ツン…何で約束を破るんだお…… ツン…愛してるんだ……」

〜THE END〜

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