仮面ライダーポイズン 第三話


775 名前: ポ イズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:36:07 ID:tivBm3ZV0

響き渡る銃声
鳴り響く警報
燃え盛る炎

〈な、なんだこいつら!?〉
〈は、はやい…!〉
〈銃が当たらない!?〉

交錯する無線

〈第三ブロック、突破されました!〉
〈たす、たすけてく…うわああぁぁぁ!!!!〉
〈隔壁…駄目だ、間に合わない!〉

――――司令室―――――

「所長!このままでは…!」
「くそ…何だというのだ、一体!」
〈第五ブロック全滅!突破されます!〉
「狐達は何をやっている!」
〈必死に応戦してらぁ!畜生、何なんだこいつら!〉
「く…」
〈フォックス06、応答してください!フォックス06…〉
〈第六ブロック、隔壁破壊されました!…来ます!〉
「覚悟を決めるしか…ないようだな…」
「…所長」
「…わざわざ敵にここを明け渡す必要もあるまい…コードEを発令する!」
〈コードE発令!繰り返す、コードE発令!総員、退避して下さい!繰り返す…〉

776 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:37:06 ID:tivBm3ZV0

―――――――――………

「うわあああぁぁぁぁぁぁぁ!」
悲鳴と共に飛び起きる
体は汗にまみれている
「くそ…またあの夢か…」
忘れもしない、あの日
忘れる事などできない、あの日―…

―――――――――………

777 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:38:05 ID:tivBm3ZV0

謎の敵が世界を侵略し始めてから一年がたつ
突如現れた奴らは、その圧倒的な戦力を持って次々と各国を支配していった
既に世界の半分近くの国は奴らによって滅ぼされている
極東の方はまだ被害がほとんどないという話だが、時間の問題だろう
大陸でも随一の軍事力を所有していたはずのこの国ですら、最早陥落寸前なのだ
「明日は我が身、か…」
ここはとある病院の一室
とある研究所の護衛の任務についていて、奴らの襲撃を受けたのは一年前の事だ
…何も出来なかった…圧倒的だった


「スノゥ・フォックス」と言えば、大陸でもかなり名の知られた部隊だった
そこの隊長…大陸の白き狐―通称「リリィ」―はとりわけ有名だった
病的に白いその肌から名付けられたその戦士の率いる少数精鋭部隊…
「スノゥ・フォックス」は大陸において間違いなく最強の部隊であった

778 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:39:04 ID:tivBm3ZV0

かくいう俺も、「スノゥ・フォックス」に所属していた身だ

…いや、「いた」か
部隊は俺を残して全滅した
最強と言われていた部隊は、突然現れた奴らに、為す術もなく敗れた
あの後施設は秘密保護の為に自爆した…生き残ったのは俺だけだった
俺達を護衛に回すほどの研究とはなんだったのか俺に知る術はないし、知る気もない
なによりも、もうすぐ軍属ではなくなる俺にどうでもいい話だった
あの日に負った怪我も、ようやく癒えた
辞令は既に出してある
明日の退院と同時に俺は晴れて自由の身になる
「長かった病院生活とも今日でおさらばか…」
嬉しいような、寂しいような
「退院したら、何するかな…」
いつ殺されるとも分からないこんな世の中だ
ひっそりと、やりたい事をやりながら過ごすのも悪くない
「畑でも作るかな」
実がなるまで無事でいられるかは分からないが…
…今まで、壊しすぎた
殺しすぎた
「そろそろ作る側に回ってもいいよな…」
感傷なんてらしくもないが、病院なんてのはとにかく暇だ
感傷にでも浸ってないと時間が長くてしょうがない
と、その時だった
個室のドアが開いた

779 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:40:07 ID:tivBm3ZV0

「あんたは…」
「久し振りだ…一年振りかな?」
入ってきたのは、部隊に所属していた時の恩人
部隊設立の時から、何かと世話を焼いてくれた人だ
「…そうか、もうそんなか…」
「時の流れるのは早いな…あの日からもう一年か」
「………」
「…話は聞いたよ」
「話?」
「軍を辞めるそうじゃないか」
「…その事か」
「どうしたというのだ?死ぬまで軍人であり続ける…国の為に、戦い続ける…
そう言っていたのは君じゃなかったかな?」
「…俺にはもう、無理だ」
「何がだい?」
「仲間を失い、守るべき国は失われかけている」
「………」
「その上…奴らは、強い…とてつもなく」
「何だ…臆病風に吹かれたのか?」
「違う…無駄だと言っているんだ」
「………」
「当時最強と言われていた俺らの部隊が、不意打ちとは言え何もできずに全滅したんだ」
「………」
「あんたには分からないだろうが…無理だ…奴らは強すぎる」
「それで退役かね」
「どうせ限られた命だ…死に行く運命なら、最後くらいは好きに生きるさ」
「やれやれ…何とも情けない話だ…それでも君は「スノゥ・ウルブズ」の隊長…「リリィ」かね?」
「…何とでも言え」

780 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:41:08 ID:tivBm3ZV0

「…この国が出来てもう三年だ」
「………」
「一体何人殺したのか…一体何人の犠牲を出したのか…」
「………」
「それでもその先にある平和を求めて君達は戦った…違うか?」
「………」
「君は言った筈だ…私の作る国に、真の平和があるというのならば命を賭して戦い続けよう、と」
「…あぁ、言ったな」
「そして君達の活躍のおかげで、私はこの国を作る事が出来た」
「………」
「建国当初は色々あったが…それでも順調だった…そうだろう?」
「そうだな」
「建国して三年…概ね平和だった」
「…あぁ」
「それも一重に君達の活躍と、犠牲があったからだ」
「………」
「私の言葉に耳を貸し、協力してくれた君達がいなければ、ここまで来る事はできなかった」
「………」
「私は一時たりとも私の為に死んでいった彼等のことを忘れた事はない」
「………」
「それを捨てるというのかね、君は」

781 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:42:05 ID:tivBm3ZV0

「…それは」
「君が言っているのはそういうことだ…そいつはちょっと酷くはないかね?」
「………」
「彼等の思いを、犠牲を、君は無駄にしようとしているのだぞ?」
「…だが、何が出来るっていう…力なき正義は無力だぞ」
「何、とね」
「今じゃ世界のほとんどあいつらの手中だ…どんだけ綺麗事を並べても、力がなきゃどうにもならない」
「…ふふふ、力、か」
「そうだ!」
「ふふふ…あるさ、力なら」
「…何?」
「今日君を訪ねたのもそういう理由でね…辞令を取り下げたまえ。君に「力」を与えよう」

782 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:43:06 ID:tivBm3ZV0

―――――――――………

『熱源感知』
「それで隠れたつもりか?」
上手く隠れたつもりだろうが…ばればれだ
左手に持ったアサルトライフルを掃射し、障害物を吹き飛ばす
〈くそ…!〉
廃墟から飛び出してくる機影
「甘いんだよ…」
ここで逃してやるほど俺は甘くない
『目標補足…ロックオン』
その声と同時に俺は右手の内臓バルカンを掃射する
飛び出す弾丸
排出される薬莢
『全段着弾確認…目標の動作に乱れを確認』
「…もらった!」
加速、一気に距離を詰め、零距離で両手の武器を掃射
狙うは装甲の薄い関節部ならびに頭部
けたたましい騒音と共に吐き出される無数の弾丸は、零距離で外す訳もなく目標に吸い込まれる
一瞬にしてスクラップの出来上がり、と
『目標沈黙』
蜂の巣になって動く訳もない
「次だ」
『ラジャ』

783 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:44:11 ID:tivBm3ZV0

脚部の超速移動用ローラを起動し、残る対象を迎撃するために移動を開始 する
…でかい図体の癖に、移動となるととんでもなく早い
まるでじゃじゃ馬
「馬鹿でかい単車でも乗り回してる気分だ…」
『失礼ですね…私を単車なんかと一緒にしないで下さい』
「そういうところがじゃじゃ馬だって言ってるんだ」
『照れちゃって』
「黙ってろ」
『……目標確認…6時方向、距離1500、機数1』
「了解」
『対象周囲に多数のトラップを確認…正面突破は危険です』
レーダーを見る
…屋内か
「…上から仕掛ける」

784 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:45:02 ID:tivBm3ZV0

―――――――――………

「彼が今日から君達の隊長になる「リリィ」だ」
「よろしく頼む」
「ヒュゥッ…まじかよ」
「リリィ…スノゥ・フォックスの?」
「そうだ…彼がこのチーム最後の一人だ」
部屋が俄かに騒がしくなる
…人数は俺も含めて十一人
…スノゥ・フォックスと、同じ人数か…
「ようこそリリィ…我らの最後の切り札…ex11へ」

「ex11?」
「そう…Exceptional-11、この部隊名さ」
「例外の十一人、か」
「そうだ…まずはメンバーを紹介しようか」
「頼む」

まずは総司令官として大統領
次に通信士…つまりはオペレーターとして三人
内訳は女が二人、男が一人
次に整備班…こちらは二人で、男と女一人づつだ
最後が戦闘員…俺の指揮下には入る奴等…は俺も含めて五人
女が一人、残る四人は男
という構成の部隊だった
全員、どこかしらで見かけたことのある、もしくは名前を聞いたことのある奴らばかりだ
『流石は切り札、という訳か…』

785 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:46:18 ID:tivBm3ZV0

「なぁ、ところで司令官さんよ」
「何だ」
「この「リリィ」…当時はそれはそれは凄かったらしいが…病み上がり何だろ?」
「………」
「本当に戦えるのか?なぁ?」
「よさないか、ジェーン」
ジェーンと呼ばれた戦闘員の一人が半信半疑といった様子で話しかけてくる
「ハッ…」
若さゆえの過ち、という奴か
「大戦をしらねえようなヒヨッコが偉そうな口を叩くな…貴様如きに心配される間などない」
「おい…リリィ…」
「ヒュゥッ…言うねえ言うねえ…やっぱり大戦士様は言う事がちげえや!」
「なんならその身で確かめさせてやろうか…?」
「おい、リリィ!」
「分かってるよ…だがな、こういうのは早めに方つけちまわんとな」
「だがなぁ…」
「何だ?俺があの程度の奴に負けるとでも?冗談じゃない。若造に偉そうな顔させてられるか」
「…勝手にせぃ…」
「なぁに、ほんの肩ならしだ…心配するな」
「さぁすがはリリィ様、余裕だねぇ」
「ハッ、舐めるな…貴様らヒヨッコ全員が束になっても俺には勝てまいよ」
「「「「な!!?」」」」
「…お前って奴は…」
「なぁに…腕は確かなようだが、こんな挑発に乗るようではな…」
戦場で必要なもの…それは冷静さだ
冷静さを失った奴は、戦場では生きて帰れない
「はぁ…まあ良い。良い機会だ…ちょっとテストをしてみようか…」
「テスト?」
「そうだ…我らの最後の希望の、な」

786 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:47:06 ID:tivBm3ZV0

―――――――――………

『これが希望、か…』
高速で流れ行く風景
『これなら…確かにいけるかもしれない』
手を握る
鋼鉄の塊で出来た手が、俺と同じように手を握る

―――――――――………

787 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:48:06 ID:tivBm3ZV0

「こ、これは…!?」
大統領…指揮官に連れられて来た先はだだっ広い倉庫のようなところだった
だが、そこには今までに見たこともないようなモノがおいてあった
「ロボット…?」
それはサイズにして、高さ2メートル強程の大きさを持つ、鉄の塊だった
「これが我らの最後の切り札…Victor Inspire Power - FRAME…我らに勝利を導くもの…通称、VIPフレーム」
「VIP…フレーム…」
「そうだ…人工筋肉や人工頭脳…我が国の持てる叡智全てを結集して作り上げられた対敵用強化装甲だ」
…唐突に閃いた
「司令…これは…まさか…」
「…そのまさか、だ」
俺達が護衛についていたあの研究所…
「これは本来は君達に与えられるはずだったものだ」
「…成程、な」
適任、って訳か…
「奴らの襲撃がなければ…もっと早く完成したのだが…」
「…なんだって良いさ…今やれる事をやる…それだけだ」
「格好良いこと言うねぇ…」
「まあ、どうせ喧嘩するのならこいつを使ってやれ。テストも兼ねてな」
「そういうことか…了解」
「勿論シミュレーターで、だが」
「…ちぇ」

788 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:49:02 ID:tivBm3ZV0

―――――――――………

『目標の真上に到着』
「OK…」
強化装甲とはいえ流石に空は飛べないので、他の建築物の屋上を飛び移って移動する事数分
目標はまだ気付いた様子はない…罠を張ったからといって油断したな、馬鹿め
「床をぶち抜くぞ…二切り砲(パイプカットカノン)、用意」
『ラジャ』
背中のバックパック部分に装備されていた馬鹿みたいにでかい砲台…連結部がモーターの駆動音と共に動く
『準備完了』
背中にあったカノンは既に肩口にセットされている
戦車につけるようなどでかい大砲の銃身を切って詰めただけの馬鹿げた武器
「こいつ」を着ていればそん代物だって扱える
「熱源チェック、射撃時の反動と床の予想崩壊部分計算」
『計算終了…現状地点が最大効率』
「OK、ぶっ放すぞ」
目標は真下…引き金を引く
発射される特大の弾
コンクリで出来た床は簡単にぶち抜かれる、弾丸は尚止まる事はない
重力の引き寄せるままに加速した弾は、罠を張って安心しきっていた若造のフレームに直撃
頭部を破壊し、胴体の半ばでようやく弾は止まった
…これが現実なら人間なんぞ間違いなく挽肉だろうが、ここはシミュレーター内だ
そういった表現は一切ない
『目標に着弾を確認…目標沈黙…残り敵機1』
「OK、良い感じだ」

789 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:50:06 ID:tivBm3ZV0

一年ほど動かしていなかった体だが、思ったより動く
流石に体力不足は否めない…まだ戦闘開始からそんなに経っていないというのに、頬を一筋の汗が伝う
「…まあ、この中暑いしな」
『空調なんてつけられるわけないでしょう』
「わーってるよ!」
『改善不可能な現状に文句を言っても』
「分かったから少し黙ってろ!」
『ラジャ』
…良く喋るAIだ
「戦闘特化型AI…AGEか」
『NO、私はAGEのアッパーバージョン…指揮官機搭載用AI、SAGE(セイジ)です』
「あ、そ…」

790 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:51:03 ID:tivBm3ZV0

―――――――――………

「簡単に説明しておこうか…VIPフレームには既存の兵器とは決定的に異なる点がある」
「…人工頭脳だ」
「大戦中のありとあらゆるデータを元に組まれた戦闘特化型AI…AGE(エイジ)」
「弾道予測、トラップ感知、周辺域の地図、最短ルートの計算…」
「機能は数限りない」
「機体の制御も手伝ってもらう事になる」
「それぞれのAIには人格がある」
「人格を持たせたのには色々と理由があるが…まあ説明は必要あるまい」
…唯のCPUだとストレスミスが発生する可能性がある
相互の意思疎通を図る事でのプログラムの簡略化と最適化、臨機応変化
AIに自立行動を取らせる事で両人の負担を軽減
戦場における恐怖を和らげる
…こんなところだろうか?
「君達の戦闘を楽にしてくれる事に変わりはない」
「ま、仲良くしてやってくれ…君達の大事なパートナーだ」

―――――――――………

791 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:52:02 ID:tivBm3ZV0

人工頭脳…戦闘特化型AI…AGE…
【国を治める者に必要なものとはなんだか分かるか?】
【カリスマ…権力…どれも間違ってはいない】
【だがもう一つ、必要なものがある】
【先見の目、だ】
…成程な
確かに間違っちゃいなかった訳だ…あんたの先見の目って奴は
お約束な展開、ってのは「なる」んじゃなくて「する」もんなんだな…
『上空より爆発物反応』
「!?」
見るよりも先に体が動いた
左手に持っていたアサルトマシンガンをろくに標準も合わせずに撃つ
―当たる
建物の中に爆発音が響き渡る
『おみごとです…上空より敵機反応』
「ち」
無理な体勢での射撃でバランスが崩れている…それに今から撃ったのでは勢いを止められない…
相手も空中で射撃なんて馬鹿なことはできない…となれば
俺は右手で腰部に搭載してある単分子ブレードに手を伸ばす

792 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o 投稿日: 2005/10/05(水) 20:53:28 ID:tivBm3ZV0

〈…止めたか!〉
間一髪で上空よりのナイフによる襲撃を防ぐ
「く…!」
鉄の塊に重力の乗った強烈に重い斬撃を何とか防ぐ
〈まだ!〉
着地した敵機がナイフを突き出してくる
「…奇襲までは良かったが」
『回避成功』
「その後は点で駄目だな…!」
潜り抜けるようにして刺突をかわし、一気に懐へ
〈…!!〉
「せい!」
加速の勢いそのままに胸元に単分子ブレードを突き刺す
超速で繰り出されたブレードは装甲をぶち破り、切っ先がバックパックから顔を出す
『装甲貫通…敵機反応消失…周辺域に敵機の反応なし…おめでとうございます』
「ま、こんなもんか…」
額から流れる汗を拭い、一人心地呟く
『素晴らしい戦闘能力です…あなたを特S級パイロットと認定します』
「ありがとさん…」

255 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:10:10 ID:zhhs3fLh0

「作戦の決行日は明日2000より。それまでに各自準備を整えておけ」
「了解」
シュミレーターでの慣らしを終えた後、司令から通達を受けた
ずいぶんと早い決行だが、つまりそれだけ時間に余裕がないということか…
「隊長」
先程俺のことをなめくさっていた奴が見違えるほど毅然とした態度で声をかけてきた
「先程は大変出すぎた真似をしてしまい申し訳ございませんでした」
「あー…まいいよ。若いうちはよくあるある」
「寛大な措置、誠にありがとうございます!」
「そりゃあんな簡単にやられてちゃ立つ瀬ないわよね」
一連の会話を聞いていた女兵士が横からからかう
「う、うるせぇ!お前だって同じだろうが!」
「あーら、私は最初から勝てないと思ってたもん。恐れ多くもリリィに勝とうなんてこれっぽっちも考えてなかったわよ」
「な…!」
「それに私は善戦したもーん」
「な、て、てめ!」
彼女は最後に俺と白兵戦を演じた相手か…
「あーまあそのなんだ…」
「?」

256 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:11:00 ID:zhhs3fLh0

「一流の戦士は死をも厭わずに任務を達成するもんだ」
「はい」
「だが死んだら二流だ」
「・・・」
「まあ用は死ぬなって事だ」
…俺は一体何を言っているのだろうか
ふと口を突いて出た言葉がこれだ
「「了解です」」
「あーうん。まあ頑張ろう」
「「ハッ」」
二人は俺に敬礼をし、その場を後にする
俺は未だにあの時のことを引きずっているのだろうか
「死ぬな、か…」
「良いのではないかね」
「うおあ!?」
「犠牲を出さずにすめば、それに越した事はない」
い、いつの間に来たんだあんた…
「リリィ」
「何だ?」
「君も死んではいけない」
「・・・」
「君はまだ必要とされている」
「・・・」
「死ぬにはまだ早いぞ」
「…やれやれ」
お見通し、か…
「むしろ君には死んで行った彼等の分まで闘う義務がある」
「…そうだな」

―――――――――………

257 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:11:59 ID:zhhs3fLh0

作戦決行時間
移動用のヘリの中、俺は懐かしい感覚に囚われていた
戦場に赴く前のあの血が冷たくなる感覚
そして微かに感じる仲間の温もり

―――――――――………

「作戦域は敵のアジト」
「情報部が必死になって見つけた場所だ」
「敵の規模は不明」
「戦力も不明だ」
「だが…やるしかない」
「先刻、隣国が陥落した…我々に残された時間は少ない」
「迅速にアジトを制圧しろ」
「作戦区域にて遭遇した敵兵は戦闘員、非戦闘員問わず殲滅」
「最も…奴らは全員が戦闘員強化を受けている以上、非戦闘員は存在しないがな」
「幸運を祈る…グッドラック」
「…と、最後に一言」
「生き延びろ。死ぬな。これも命令だ…以上」

―――――――――………


258 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:13:10 ID:zhhs3fLh0

作戦決行時間
移動用のヘリの中、俺は懐かしい感覚に囚われていた
戦場に赴く前のあの血が冷たくなる感覚
そして微かに感じる仲間の温もり

―――――――――………

「作戦域は敵のアジト」
「情報部が必死になって見つけた場所だ」
「敵の規模は不明」
「戦力も不明だ」
「だが…やるしかない」
「先刻、隣国が陥落した…我々に残された時間は少ない」
「迅速にアジトを制圧しろ」
「作戦区域にて遭遇した敵兵は戦闘員、非戦闘員問わず殲滅」
「最も…奴らは全員が戦闘員強化を受けている以上、非戦闘員は存在しないがな」
「幸運を祈る…グッドラック」
「…と、最後に一言」
「生き延びろ。死ぬな。これも命令だ…以上」

―――――――――………

259 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:14:02 ID:zhhs3fLh0

―――――――――………

それは聳え立つ木々の間にあった
パッと見ただけでは絶対に気付く事のできない、完全な迷彩を施されて
〈作戦区域に到達しました〉
「あそこか…」
フレームの視覚を50倍に引き上げて確認すると、そこには確かに奴らがいた
密林に生い茂る木々の隙間から僅かに確認できる奴ら
俺の仲間たちを一瞬にして奪い、世界をも侵略しようとしている奴ら
…見てるか
今からお前たちの敵を…いや、俺たちの国を、守るために
俺は、行くよ

―――――――――………

260 ポイズン書いてた人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:15:00 ID:zhhs3fLh0

制圧は迅速に
殺戮は一瞬で

「こちらA、東地区制圧、射殺19、損失0、続行する」
〈こちらB、西地区制圧、射殺8、損失0、続行する〉
〈こちらC、中央区制圧、射殺16、損失0、続行する〉

元々少ない5人を更に1,2,2の三組に分け、作戦は行われた
…言うまでもないが1ってのは俺のことだ
…いや、寂しくなんかはないがともかく
作戦は拍子抜けするほどに順調だった
カーソルを合わせて引き金を引く
薬莢の排出される音と共に弾丸が飛び出し、戦闘員をズダボロにする
当時の支給された銃器では傷一つ付ける事ができなかった敵が、こうも簡単に死んでいく
接近した敵には、単分子ブレードで二つになってもらう
一方的な引き算のように敵は減っていく
そう…これが戦争
〈一階は制圧が完了しました。総員、地下へ移動してくださいポイントは…〉
あの時は俺らが刈られる側だった
今は…
「俺らが刈る番だ」
『何をぶつぶつ言ってるんですか。気色悪いですね』
「・・・」
『前方熱源感知、数2…ロックオン』
俺は何も言わずに引き金を引いた

―――――――――………

261 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:16:04 ID:zhhs3fLh0

一時間もする頃にはアジトのほぼ全域の制圧が終わっていた
〈残るのはそこの扉だけです〉
非常に頑丈なロックを施された、分厚い扉
中枢がこの先にあるのは日を見るよりも明らかだ
「いよいよ最後ですね・・・」
一人が呟く
ここ以外の制圧を終えた俺達は、分散行動を止め、今は一箇所に集まっている
誰もかけていない
返り血に塗れている以外、特に被害はない
「いや・・・油断は厳禁、か」
『幹部クラスの敵がこの先に入ると思われます…油断している暇なんてありませんよ』
「分かってる」
情報の少ない怪人…つまりは幹部クラス
その戦闘能力は、戦闘員とは一線を超すという
いくらVIPフレームで力を手に入れたといっても、そう簡単に勝てる相手ではないだろう事は容易に想像できる
〈コードの解読が終了しました…転送します〉
送られてきたコードをセイジが打ち込む
と、盛大な音を立てて扉は開く
扉の先には薄暗い通路
「…ex04と05はここで待機、残りは俺と来てくれ」
〈了解〉
「鬼が出るか蛇が出るか…」

―――――――――………

262 名前: ポ イズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:17:26 ID:zhhs3fLh0

「な…んだこりゃ…」
何重もの隔壁を抜け、たどり着いた先は薄暗い実験室のようなところだった
その中でもひときわ目を引いたのが…
「巨大な…試験管?」
緑色の液体に満ちた巨大な試験管…
しかもその中には「何か」がいる
「何だ・・・こいつは…」
〈人間…でしょうか…?〉
『データ照合…データベースにありません』
何なんだ…形状は明らかに人間のそれだが…
「…どうする?司令」
〈…制圧後回収しよう。今は制圧を急いでくれ〉
「…了解した。02、03行くぞ」
分からない事は多々あるが…任務が先だ
別な扉から更に深部へと向かう
…後ろの試験管の中にいる「何か」がごぼりと動いた、気がした

―――――――――………

263 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:18:51 ID:zhhs3fLh0

「ようこそ…我がアジトへ」
地下とは思えないほどに広いその空間
とても司令室とは思えない程にがらんとしたその空間に、そいつはいた
「招かざる客とはいえ…ここまで来た以上もてなしをしない訳にもいかないな」
背筋を汗が伝う
こいつはヤバイ
俺の長年培ってきた本能がそう叫ぶ
「ex04、05…急いで奥まで来い」
〈了解〉
「たかが下等生物と思って舐めていたが…認識を改める必要があるな」
「ex02、03…あいつはヤバイ…俺が引き付ける。援護しろ」
〈了解〉
「貴重な実験体を失うわけにも行かん…全力でお相手しよう」
言うや否や、男の外見が見る見るうちに変化していく
〈うげぇ…気持ち悪い…〉
筋肉は数倍に膨張し、血管は脈打っている
どこから生えてきたのか、その身には巨大な尻尾
手には巨大な鉤爪
『恐竜ですかね』
「何でそんな暢気なんだ…」
〈…っな!?〉
追いついてきた二機が、その余りにもばかげた光景に声を失う
「…わざわざ変身に付き合う義理はないな。セイジ!」
『ラジャ』
刹那、一気に加速
カノンを左手に担ぎ、右手ではアサルトライフルを連射する
これだけ大きければ狙わなくても当たる
背後からの援護射撃を受けながら一気に距離を詰め、掃射
『全弾命中』

264 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:20:03 ID:zhhs3fLh0

攻撃の手は休めない
数瞬の後、半ば変身を終えた敵の懐に入る
右手に持っていたアサルトライフルを投げ捨て、単分子ブレードに手を伸ばす
狙うは眼球
『右方向警告』
「!?」
その声が聞こえると同時に、凄まじい衝撃が俺を襲う
脚は地面についていない
「な・・・んだ!?」
視界の隅に捉えたのは巨大な腕
…どうやら思いっきり引っ叩かれたようだった
いや、そんな冷静になってる場合でもない
「うぐあ!!」
吹き飛ばされた俺は壁に叩きつけられる
内部機器に頭をぶつけたのか、血がたれている
「くそ…セイジ、損害は!?」
『表面装甲大破、駆動部に若干の異常…もう一回もらったら終わりです』
「戦闘員相手ならともかく…そんな玩具で私は倒せないよ」
計4つのカノンから放たれる弾丸をその身に受けながらも平然とした様子で奴は言った
〈なんだこいつ…!?〉
〈は、はやい!?〉
そいつはその巨大な図体に似合わない程に鋭敏な動きをした
「固まるな!ばらけろ!移動しながら攻撃しろ!」
埋まった体をやっとのことで引きずり出しながら俺は叫ぶ
脳裏に蘇るのはあの日の事
「…やらせはしない…絶対に…」

265 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:21:10 ID:zhhs3fLh0

「無駄無駄ぁ!!」
叫びながらの攻撃を必死に避ける仲間達
合間に砲撃を繰り返すも、効果は見られない
「…セイジ」
『何でしょう』
「バースト」
『ラジャ』

―――――――――………

「指揮官機だけに搭載してある機能があります」
「バーストです」
「貴方に反応を一時的に増強する薬を投与すると共に…」
「フレームの駆動限界を一時的に解除」
「本当に短い間だけですが、爆発的に能力を上げます」
「ただし…」
「この薬は非常に効果が強いため、身体に悪影響を及ぼす危険性があります」
「また、機体にも多大な負荷がかかります」
「状況を判断して使って下さい」

―――――――――………

266 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:22:26 ID:zhhs3fLh0

「うっ…!」
首元に刺さる注射器
注ぎ込まれる液体
高揚してくる気分
熱くなる体
『今から駆動限界を外します…予想駆動可能時間は2分』
「行くぞ…!」
加速
うるさいほどの駆動音
薬によって高められた感覚は、時間を引き延ばしたかのような錯覚に俺を落とし入れる
「うぅ…おおおぉぉぉぉぉ!!!!」
知らずと漏れる声
敵が今まさに逃げ送れた03をそのつめで引き裂かんとしたその時
俺は既に奴の頭の上だ
「うわああああ!!!!!」
皮膚が厚くて銃撃が意味を成さないというのならば
薄いところを狙えばいい
「なに!!?」
眼球にブレードを突き刺す
「う、があああ!!!!!!!!!!!!!!!」
悲鳴と共に暴れる巨体
頭部から離れ、着地
明確な殺意を持って放たれる攻撃を、しかし俺は冷静に避ける
鋭敏化された俺の感覚には遅すぎる攻撃だ
一気に懐に潜り込む
次なる狙いは脚部
感覚神経の集中した指先にブレードを突き立てる
「う、が、あ、ああああああ!!!!」
「まだまだっ!」
痛みに耐えかねついには崩れ落ちる敵に、零距離からのカノンの一斉砲撃

267 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:23:28 ID:zhhs3fLh0

04の叫びと共に、残った眼球にもブレードが突き立てられる
「ああああああああああああ!!!!!貴様らああああ!!!!」
最早見境なく暴れる巨体
「安心しろ…これで終わりにしてやる」
入り乱れる手と尻尾の乱舞を交わし、再び頭部に
構えるはパイプカットカノン
銃口の向く先はぐちゃぐちゃになった眼球
「脳みそぶっ飛ばしてやる!」
そして俺は引き金を引いた
ドン、という音と共に射出された巨大な弾丸は、最早原形を留めていない眼球を貫き
頭蓋骨を割って脳に侵入し、ズダズダにする
『駆動限界です』
恐竜の形をした巨体が台地にひれ伏すのと同時に、セイジが限界を告げた
凄まじい音と共に動いていた機体はその一言で糸が切れた操り人形のように動かなくなる
「終わった…のか」
〈勝った!!〉
〈やったな!〉
「ふう…」
あーくそ…視界が赤い…
薬のせいか頭も痛い
でもまあいいか…勝ったんだし
これで凱旋、ゆっくりと…
〈…!?ば、爆発物感知!〉
〈地下に大型の爆発物を感知しました!爆発すればこの周辺域一体は消し飛びます!〉
…という訳にも行かないらしい

268 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:25:02 ID:zhhs3fLh0

―――――――――………

〈起動しています!予想爆破時刻まで…後5分!!〉
〈総員、至急離脱しろ!〉
「お約束だな…おい」
『そうですね』
「動け…ないよなぁ」
『冷却して行動可能になるまで後15分はかかります』
やれやれ…
「…ex01から各機へ」
〈?〉
「俺は動けん…が、お前らはさっさと逃げろ」
〈な、何言ってんですか!〉
「残り時間5分じゃお前らが飛ばして言ってもギリギリだ…俺を持っていく余裕はないだろう」
〈だ、だからって!〉
「早く行け!もう時間がないぞ!」
〈司令!何とか言って下さい!〉
〈リリィ…〉
「俺は良い。もう年取ってるしな。だがお前らは若い…まだ先が」
〈いやだ!〉
「おい…お前達、何を!?」
〈持って行きます…隊長は死なせない〉
あの時話した二人だった
動けない俺の機体を二人がかりで抱える
「死ぬぞ!早く逃げろ!」
〈お断りします!〉
〈命令に背くようですが…私達にはまだ隊長が必要です〉
くそ…どいつもこいつも馬鹿ばっかだ

269 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:26:26 ID:zhhs3fLh0

くそ…どいつもこいつも馬鹿ばっかだ
『良い部下をお持ちですね』
「お前が動きゃこんな事にはなんなかったんだよ!」
〈後4分…もう時間がありません!早く脱出を!〉
〈行くよ!〉
「ああもう…勝手にしろ…」
『まあ死なずに済むなら私も嬉しいですよ』
…こいつは…

―――――――――………

部下二人に抱えられながら脱出する途中、必然と通る事となる先程の部屋
ちらりと捉えた視界の隅
試験管の蓋は開き、中には何もいなかった

―――――――――………

270 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:27:26 ID:zhhs3fLh0

何でだろうな
あの後俺たちは無事に脱出できた
いや、無事に、ではない
アジトを脱出した瞬間に爆発に見舞われ、機体は大破
俺は結構な火傷を負った
…まあ、命に別状はないが
結果論だけで言えば、俺達の戦果は素晴らしいものだ
損害0で敵の支部とはいえ、アジトを制圧した
今までろくに抵抗も出来なかった俺達にとって、それは唯一の希望の光だ
じきにVIPフレームも量産され、戦局も多少なり動くだろう
陥落した国は多いが、まだ戦う意欲を失った国は少ない
『あなたみたいに腑抜けてませんから』
…そして相変わらずこいつはうるさい

―――――――――………

271 名前: ポイズン書いて た人 ◆0pp51GOg6o [sage] 投稿日: 2005/10/12(水) 23:28:20 ID:zhhs3fLh0

「君にはまだ戦う義務があるようだな」
「らしいな…」
何でか生き延びている俺は、戦場に戻る事を選んだ
今は亡きあいつらの国を守るために

―――――――――………

avexが世界を侵略し始めてから一年
人間はようやく反撃の狼煙を上げた

リリィ率いるex11隊と、力を失いながらも戦いを続けていたポイズンとが出会うのは
もうちょっと先の話である


                             外伝・了


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